ドライバー平均230〜270yの飛距離を持つ発明家(理論派アナリスト)の男性ゴルファーは、ティーショットで飛距離を活かしたいという思考が先行し、アドレスで「スイングの『なぜ』を考えすぎて、ボールを前にして固まる時間が長い」状態に陥る。結果、力みが生じてチーピンが出て林に消える情景は想像に難くない。
ドローが力みでチーピン(左に出る)やプッシュアウトに繋がる物理的要因は、このヘッドスピード帯で顕著になる。ヘッドスピードが上がることで、体の回転と腕の振りのタイミングが狂いやすくなり、ヘッドが急激にインサイドアウトに振られることで引っかけが助長される。中弾道を目指すあまり、過度な力みで弾道が吹き上がり、「向かい風に弱い」球になることも。
「頭で考えすぎて身体の動きが硬くなり、いわゆる『イップス』に近い状態になりやすい」という弱点が、この飛距離帯での最大の危険因子だ。力みが「考えすぎる」ことと結びつき、スイングプレーンが崩壊し、一発の大きなミスがスコアを大きく崩す。飛距離を活かしたいという気持ちとリスクの間で葛藤が生まれる。
ゴルフは究極の物理パズル。自身のゴルフ哲学を、力みという「ノイズ」を除去する課題として捉え、データと感覚のバランスで解決する必要がある。「飛距離をさらに伸ばす」のではなく、「今ある飛距離を安定させる」ことが次の壁だ。