「あそこ、狙えるっしょ!」とカップまで残り70ヤード、ウェッジを握る起業家。しかし、高弾道フェードはランが出ず、グリーン手前にポトリ。同伴者の「頑張れ!」という声が、まるで嘲笑に聞こえる瞬間だ。この飛距離帯の男性ゴルファーにとって、ドライバーが150ヤード以下では、Par4のセカンドでUTやFWを打つのが当たり前。グリーンを正面から狙う機会はほとんどない。
根本的な原因は、スイング軌道がアウトサイドインになりやすく、フェースが開いてインパクトを迎えるため、高弾道フェードがさらにスピン過多で吹き上がってしまうことにある。飛距離が出ない上に、アゲンストの風には滅法弱い。しかし、起業家は「次のホールでイーグル獲ればチャラだ」という謎のポジティブ哲学で、この物理的現実を認めようとしない。それが「細かいパットのライン読みや、繊細なアプローチなど、ちまちました作業が苦手」という弱点と結びつき、グリーン周りで何度もミスを繰り返す心理的悪循環に陥る。
「安全に刻む」という選択肢が辞書にない起業家にとって、この距離帯の真の戦場はグリーン周り30ヤード以内。高弾道フェードの特性を活かし、ピンデッドではなく、手前から転がす、あるいはワンクッションで止める「寄せパターン」を確立する思考が、スコアを劇的に変える突破口となる。