ドライバーで230〜270ヤードを飛ばす「主人公」タイプの男性ゴルファーは、5番アイアンで170〜200ヤードを狙え、Par5の2打目にフェアウェイウッドで届くシチュエーションも現れる。同伴者がベスト更新ペースだと、自分も「よし、俺も!」と気持ちが高ぶり、つい力みがちだ。低弾道ストレートは風に強く、ランも期待できる強力な武器だが、力みによって球が散るミスは、スコアを大きく崩す要因となる。
このヘッドスピード帯では、飛距離が出るがゆえに「もっと飛ばしたい」という欲求が芽生え、それが力みへと直結する。力みはスイング軌道を乱し、インパクトでフェースが被ったり開いたりすることで、チーピンや右プッシュといった球筋の乱れを生む物理的な原因となる。特に低弾道は、少しのサイドスピンでも大きく曲がるため、方向性の安定がより求められるようになる。ランが出ない球や、風に負けない球を打つためには、力みをゼロにする必要がある。
「飛距離の武器を活かしたい」という気持ちと、力みによるリスクの間で葛藤が生まれるこの距離帯は、「他人のプレーや空気を気にしすぎるあまり、自分のゴルフに集中するエネルギーが残らない」という「主人公」の弱点が露呈しやすい。同伴者がミスをして落ち込んでいると、自分も「あいつの分まで頑張らなきゃ」と無意識に力んでしまい、結果として自分もミス。全員に楽しんでほしいという思いから八方美人になり、自分だけが疲弊してしまうという心理的悪循環に陥る。
この局面で「主人公」に必要なのは、「飛距離をさらに伸ばす」ことではなく、「今ある飛距離を安定させる」ことだ。力みを生む心理メカニズムを理解し、それをゼロにするための身体的・メンタル的アプローチを学ぶことが、次の壁を破る鍵となる。低弾道ストレートという持ち球を最大限に活かすには、再現性の高いスイングが不可欠だ。「最高のスコアより、みんなの最高の笑顔」を求める「主人公」だからこそ、自分の安定したプレーが、結果的に周りの笑顔を増やすと理解することが、ゴルフ哲学と一致する。